Eテレ大好き川越の
「こんな話を聞いたよシリーズ」
睡眠学者 柳沢正史先生のお話は今日で最終回。
NHKアカデミアの後編は、まさにアカデミックと言うか、未知の領域に挑み続ける研究者の探究心って凄いなぁ…と思いながら見ていました。
25年にわたる研究で見えてきたものとは…
まず今、分かっていることは、睡眠の実体には次の3つの要素があるということ。
①徹夜すると眠い
②体内時計がずれると時差ボケが生じる
③ものすごく興奮すると強い眠気も吹っ飛ぶことがある
②も③も、だんだんとそのメカニズムが分かってきつつあるが、①が最も難解な謎である。
・・・そもそも「眠いから眠いんだし、吹っ飛ぶ時は吹っ飛ぶもんだ」としか思ってなかったよ!と、ここでハッとする私😆。
本題に戻ります。
最大の謎…①「どうしてずっと起きていると眠くなるのか」「眠気とは何か」について
柳沢先生は睡眠と覚醒の調節は「ししおどし」に例えてお話を進めます。
「ししおどし」日本庭園にある、竹の筒に水が溜まると、あるところで急に竹の筒が下を向いて水が流れ出る…というアレ。
脳内には「ししおどし」のような仕組みがあって、一定量の水(=眠気)が溜まるとこれ以上無理!と竹筒は下を向いて眠りに落ちる。人間は7~8時間かけて水が流れ出し、流れ切ると竹筒はポンと上を向いて目が覚める覚醒状態を保つ。
脳内ししおどしのしっぽ部分に小鳥🐦が止まっていると、竹筒は上を向いた状態で安定する=しっかり起きていられる。この小鳥🐦は『オレキシン』という脳内物質で、このオレキシンの発見こそが柳沢先生を睡眠研究に駆り立てたものだった…。
オレキシンがししおどしの重しであることは分かったけれど、水(眠気)の正体も、その水が溜まったことをどうやってカウントしているのか、その情報伝達のメカニズムも、ほとんど分かっていないということが、やってみたら分かった。
そこから膨大な時間と実験(10年以上累計2万匹のマウスの脳波測定)を今も続けていている柳沢先生。
脳内の神経と神経の間で起こる化学的な反応〔リン酸化〕が眠気の正体の一部ではないかと研究は続いています。
10年以上取り組んでやっと謎の入り口にたどり着いた段階だけれど、自分でなくても世界中のどこかの睡眠研究者のグループが根本的な謎の原理を解明できたら研究者冥利に尽きる、と結ばれました。
3回にわたって「睡眠を知ろう」をお届けしましたが、いかがでしたか?
私の中では・・・
分からないことの探求は研究者にがんばってもらってですね、まずは睡眠時間を確保して、「より良い眠りを得られるため」の努力をしていこうと思いました😌😅
と、終わりたいところですが、
今回の放送で私が一番興味深かったのは、聴講者からの質問コーナーだったので、
厳選して2つご紹介します🎶
①「難しい本を読んでるとあくびが出るのはどうしてですか?」の答え
あくび自体はよく分かっていないが、確かに眠くなりかけの時に出る。その本の内容が脳を十分に刺激していないからではないか。眠気が吹っ飛んでる時はコーヒーなど(カフェイン)をがぶ飲みした時と同じ状態になっていることが分かっている。授業中に眠くなるのも(学生の寝不足が一番の原因ではあるが)授業がつまらないから、それは先生のせい(笑)。
②「夢を見るのが怖い…今日もあの変な世界に行かなきゃいけないかと思うと凄く嫌な気持ちになるんですけど…」の答え
レム睡眠中にはほぼ100%の人が夢を見ているが、起きたら覚えていない…夢を忘れる忘却作用も働く。嫌な夢を見るのは、日中に本当に起こりうるストレスフルな状況を予行演習しているという学説もあって、実際にそういう夢を見ると、起きてる間のストレスフルな状況に対する感情の反応が弱まるというデータもあるから、悪い夢を見たときは「これでまたストレスに強くなったんだ」と思うくらいにしてあまり気にしないのがいいと思います(笑)。
ということで本当にお終いでございます。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🥰
今週も皆さまにとって良い一週間でありますように🍀
☆柳沢先生のお話、見てみたい方は下のURLを押すと全編が視聴できますよ♪
https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300117_00000