毎月やってくる月経。

「面倒だな」
「早く終わってほしい」
「痛くなければそれでいい」

そんなふうに感じている方も多いかもしれません。

私自身も、若い頃からずっと月経を「身体からの大切なお知らせ」と考えていたわけではありません。

でも、女性の身体について学び、お母さんや女性たちの健康相談に関わる中で
月経はただ毎月やってくるものではなく、

今の自分のからだの状態を知るための、大切なお便りのようなもの

なのではないかと思うようになりました。

月経が来たら、ただ「今月も来た」で終わらせるのではなく、

「今月の私のからだは、どんな感じだったかな」

と、ほんの少し立ち止まってみる。

それだけでも、自分のからだとの付き合い方は少し変わってくるように思います。

「いつもと同じ」は、とても大切

月経というと、周期の日数だけを気にする方も多いかもしれません。

もちろん周期も大切ですが、それだけではありません。

たとえば、

月経はだいたいいつも同じくらいの間隔で来ているか。
出血の量はいつもと比べてどうか。
経血の色はどうか。
大きな塊がたくさん出ていないか。
痛みが以前より強くなっていないか。
月経前に強いイライラや落ち込みがないか。
疲れやすさや冷えを強く感じていないか。

そうしたことも、自分の身体を知るための手がかりになります。

ただ、何か一つを見て、「これは病気だ」「からだが悪いんだ」と決めつけるものではありません。

まず大切なのは、

自分の“いつも”を知っておくこと。

月経の前後のころに自分の身体を気をつけて見ていると、

「今月はいつもと違うな」
「最近、少し無理をしていたかもしれない」
「よく眠れていなかったな」
「食事が乱れていたな」

そんな変化に気づきやすくなります。

身体は、突然大きな声で知らせてくる前に、小さな声で何かを伝えていることがあります。

月経もその小さな声の一つだと思っています。

経血の色や状態も、ひとつの手がかり

月経のときは、周期や期間だけでなく、経血の量や色、塊が多くないか、痛みの強さなども少し見てみてください。

「いつもと同じかな?」

と自分の身体を観察することが大切です。

東洋医学では、経血の色や状態、冷え、疲れやすさ、食欲、睡眠なども、身体全体の状態を見る手がかりのひとつとして考えます。

ただし、経血の色だけで身体の状態を決めつけたり、何かの病気を判断したりするものではありません。

あくまで、

身体から届いているいくつかのサインを、まとめて見ていく

という考え方です。

このあたりは、また別の機会に、もう少し詳しく書いてみたいと思っています。

月経だけを切り離して考えない

月経は、子宮だけの出来事ではありません。

私たちの身体は全部つながっています。

きちんと食べられているか。
よく眠れているか。
身体を動かしているか。
冷えすぎていないか。
疲れをため込んでいないか。
心に大きなストレスを抱えていないか。

日々の生活が乱れれば、身体全体の調子が崩れることがあります。

反対に、食事や睡眠を整えたり、少し身体を動かしたり、ゆっくり休む時間を持ったりすることで、身体の調子が整ってくることもあります。

だから私は、月経の悩みを聞いたときにも、月経のことだけではなく、

その方が普段どんな暮らしをしているのかも一緒に確認することを大事にしています。

「我慢するのが普通」にしないでほしい

一方で、何でも食事や生活習慣だけで解決できるわけではありません。

月経痛が強くて学校や仕事を休む。
鎮痛薬がないと日常生活ができない。
出血がとても多い。
月経が長く来ない、あるいは不規則な状態が続いている。
以前とは明らかに様子が変わった。

そういうときには、

「女性だから仕方がない」
「昔からこうだから」

と我慢せず、一度婦人科などで相談してほしいと思います。

必要な医療の力を借りることと、自分の身体を日々大切にすることは、別々のことのように見えるかもしれません。
でも、どちらかを選ぶのではなく、その両方から身体を支えていくことも大切だと思います。

月経は、妊娠のためだけに見るものではない

月経の話をすると、

「妊娠を考えている人のための話ですか?」

と思われるかもしれません。

もちろん、月経や排卵を知ることは、将来妊娠を考えるときにもとても大切なポイントです。

でも、それだけではありません。

妊娠を望んでいる人も、
今は望んでいない人も、
将来子どもを持つかどうか決めていない人も、

自分の身体を知ることそのものが、自分を大切にすることにつながる。

私はそう思っています。

最近は「プレコンセプションケア」という言葉も聞かれるようになりました。

妊娠を考え始めてから慌てて身体を整えるのではなく、もっと前から、自分の健康を知り、大切にしていくこと。

月経に少し目を向けてみることも、その一歩です。

今月の月経、ちょっと振り返ってみませんか

それは難しいことではありません。

「今月はいつ来たかな」
「量はいつもと同じだったかな」
「色や状態はどうだったかな」
「痛みはどうだったかな」
「月経の前、私はどんな気分だったかな」
「最近、ちゃんと食べていたかな」
「よく眠れていたかな」
「身体が冷えていなかったかな」

そんなふうに、ほんの少し自分に問いかけてみる。

それだけでもいいと思います。

身体は、毎日何も言わずに働き続けています。

そして女性の身体は、月経という形で、ときどき私たちに立ち止まる機会をくれています。

月経を、ただ面倒なものとしてやり過ごすのではなく、
「今の私はどうかな」と自分の身体に目を向けるきっかけにしてみませんか。

月経は、からだから届くお便り。

そのお便りを、ときどき開いて読んでみることから、
自分のからだを大切にすることが始まるのだと思います。