先日、『クーヨン』11月号を読みました。

今回の特集は「自然なお産」。

ページをめくりながら、何度も立ち止まりました。

「私がずっと大切にしている思いと、同じ」

読んでいて、とても嬉しい気持ちになったのです。

私たちの身体にもともと備わっている力を知る

妊娠、出産、そして子育て。
今はさまざまな情報があり、医療も大きく進歩しました。
必要なときに医療の力を借りられることは、本当にありがたいことです。

一方で私は、便利に、安全に、負担を少なくすることが求められるようになる中で、私たちの身体にもともと備わっている力に目を向ける機会が、少しずつ少なくなっているのではないかと感じることがあります。

もちろん、「自然であれば何でもよい」ということではありません。

自然分娩でなければいけないとも、母乳で育てなければいけないとも思っていません。

妊娠にも出産にも子育てにも、一人ひとり違う事情があります。母子の安全のために医療の介入が必要なことがあるのも現実です。

だから、決して何か一つの方法を「正しい」と決めたいわけではありません。

ただ、その選択をする前に

自分の身体がどんな力を持っているのか。
妊娠や出産のとき、身体の中で何が起こるのか。
毎日の食事や睡眠、身体の冷えや月経が、どんなふうにつながっているのか。


そんなことを知る機会が、もっとあってもいいのではないかと思うのです。

私は、お産とはお母さんだけが頑張るものでも、赤ちゃんがただ「産んでもらう」ものでもなく、

お母さんとお腹の赤ちゃんが一緒になって進んでいく営みなのではないかと思っています。

陣痛の痛みにしても、「痛みに耐えたからこそ母性が生まれる」という精神論だけで語りたいわけではありません。

陣痛には、赤ちゃんが生まれてくるために身体が働いているという側面があります。

そして、その時間をどのように過ごすのか、どんな介助を受けるのかによって、お母さんの感じ方も大きく違うでしょう。

無痛分娩によって体力を温存できた、産後が楽だった、という方もいらっしゃいます。それも大切な選択肢の一つだと思います。

けれど同時に、「痛みを遠ざけること」だけではなく、

そもそも人の身体はどのようにお産をするようにつくられているのかということも、とても神秘的なことだと思うし、

母親になろうとする人がそれを知っていることはとても大事なことではないかと思うのです。

そして、これはお産だけの話ではありません。
母乳育児についても同じです。

完全母乳でなければいけない、とお母さんを追い込む必要はありません。ミルクの力を借りることが必要な場合もあります。

でも、だからこそ私は、

母乳がどんな仕組みでつくられるのか、
赤ちゃんにとってどんな良さがあるのか、
母乳育児がうまくいかないときにはどんな助けを借りられるのか――

そうしたことを、もう少し、知る機会があってもいいのではないかと思っています。

「できなかったから仕方がない」と終わる前に、適切な支援があれば続けられた方もいるかもしれません。

選択肢を狭めたいのではなく、むしろ知ったうえで選べる選択肢が増えたらいいなと思うのです。

妊娠や出産のための身体づくりは、妊娠前から

そして今回、『クーヨン』11月号を読んで改めて感じたことがあります。

妊娠や出産のための身体づくりは、妊娠してから突然始まるものではないということです。

毎月の月経。
普段食べているもの。
眠ること。
身体を動かすこと。
身体を冷やさないこと。
そして、心が健やかであること。

そんな一見地味な毎日の積み重ねが、女性の身体をつくっています。

今は「プレコンセプションケア」という言葉も聞かれるようになりました。

将来妊娠を望むかどうかにかかわらず、
若いうちから自分自身の身体や健康について知り、整えていくこと。

私は、この考え方をとても大切にしたいと思っています。

それは、難しいことではありません。

「今日、ちゃんとごはんを食べただろうか」
「最近、よく眠れているだろうか」
「月経はいつもと同じだろうか」
「身体が冷えていないだろうか」
「私は今、元気だろうか」

そんなふうに、自分の身体に少し耳を傾けることも、未来につながる大切な一歩だと思うのです。

今回の記事には、親しくさせてもらっている鍼灸師の三浦亜希子さんが登場しています。
亜希子さんは、同じバイオリンク取り扱い店の仲間でもあり、日頃から女性の身体や妊娠について真摯に向き合っている方です。


その亜希子さんの記事(東洋医学の観点からのからだづくり)を読みながら、思ったことは

「私にもやれることがきっとある」

私は助産師ではありません。
赤ちゃんを取り上げることもできないし、乳房ケアもできません。

けれど、これまで薬剤師として、
たくさんのお母さんや子どもたち、そして女性たちとお話をしてきました。

食べること。
身体を整えること。
病気になる前から自分の健康を考えること。

そういうことを、これからも丁寧に伝えていきたい。

妊娠する前から
赤ちゃんを迎える前から
そして、妊娠する・しないにかかわらず、
女性が自分の身体をもっと知り、自分自身の身体を大切にできるようなお話を

これから少しずつ綴ってみようと思います。

自然なお産のこと。
無痛分娩のこと。
月経のこと。
母乳のこと。
産後の身体のこと。
食べること、眠ること、身体を整えること。

ときには答えの出ないこともあると思います。

それでも、知っておくことで見えることや、選べることが増えるかもしれません。

そんなことを、これから一つずつお伝えしていけたらと思っています。

一緒に、自分の身体について考えてみませんか。

その小さなきっかけになれたら嬉しいです。