「妊娠したら、葉酸を摂りましょう」
そんな言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
葉酸は、おなかの赤ちゃんの健やかな成長に欠かせない栄養素として、よく知られるようになりました。
でも実は、葉酸は妊娠を望む女性だけに必要なものではありません。
男性にも女性にも、子どもから高齢者まで、私たちが健康に生きていくために欠かせない栄養素なのです。
今回は、妊娠前から葉酸を摂ることの意味と、毎日の食事の中で葉酸をどのように取り入れたらよいのか、一緒に考えてみたいと思います。
なぜ、妊娠する前から葉酸が必要なの?
葉酸は、ビタミンB群の仲間です。
新しい細胞がつくられるときや、DNAの合成に関わり、体の成長や維持を支えています。
特に重要なのが、妊娠のごく初期です。
赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」は、妊娠に気づくかどうかという早い時期に形成されます。
この大切な時期に葉酸が不足していると、二分脊椎などの神経管閉鎖障害が起こるリスクが高まることが知られています。
神経管が閉じるのは、受精後およそ4週間という早い時期。
妊娠がわかってから葉酸を摂り始めるのでは、十分に間に合わない可能性もあるのです。
だからこそ、妊娠する前から葉酸を意識して摂ることが大切なのですね。
葉酸を摂ることで、すべての神経管閉鎖障害を防げるわけではありませんが、そのリスクを減らすために、科学的な根拠に基づいて推奨されています。
食べ物の葉酸と、サプリメントの葉酸は違うの?
葉酸は、もともと身近な食品に含まれています。
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、アスパラガスなどの野菜や、枝豆、納豆、いちごなどにも含まれています。葉酸という名前も、緑の葉に多く含まれることに由来しています。

こうした食品の魅力は、葉酸だけでなく、さまざまなビタミンやミネラル、食物繊維などを一緒に摂れることです。
一方、食品に含まれる葉酸は、調理によって失われたり、体への吸収率に違いがあったりします。
吸収されやすいことは、よいことばかり?
一般的な葉酸サプリメントに使われる「folic acid(プテロイルモノグルタミン酸)」は、食品に含まれる葉酸よりも安定していて、体に吸収されやすいという特徴があります。
これは、妊娠前から必要な量の葉酸を補ううえで、大きな利点です。
でも、ここで少し考えてみたいことがあります。
「吸収されやすいこと」と「体の中で適切に利用されること」は、必ずしも同じではないということです。
人工的につくられた葉酸も、体内でさまざまな代謝を経て利用されます。そのため、吸収率だけでなく、摂取量や体内での代謝についても知っておきたいところです。
2021年に日本で発表された研究では、妊娠中に葉酸サプリメントを摂取していた母親の子どもに、喘息が認められる割合が高かったことが報告されています。
ただし、これは過去の摂取状況を振り返って調べた研究であり、葉酸サプリメントが喘息の原因になったと証明されたわけではありません。
また、吸収率の高さが、その結果に影響したのかどうかも明らかにはなっていません。
それでも、こうした研究があることを知ると、栄養素は単に「たくさん吸収できればよい」というものではなく、体の中でどのように利用されるのかにも関心を持ちたいと思います。
一方で、妊娠前からの葉酸400μgの付加摂取には、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすという、確かな科学的根拠があります。
ですから、「天然だから安心」「合成だから危険」と単純に分けるのではなく、それぞれの特徴と科学的にわかっていること、まだわかっていないことを知ったうえで、適切に選ぶことが大切です。
栄養は、摂る量だけでなく、体の中でどのように働くのか。
そんな視点も持ちながら、毎日の食事やサプリメントとの付き合い方を考えていきたいですね。
参考文献:金高有里ほか「妊娠期の葉酸サプリメント摂取と児の喘息発症リスクとの関連」『DOHaD研究』10巻1号、69–75頁、2021年
なぜ、葉酸400μgを追加して摂るの?
日本の「食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の一般的な成人男女の葉酸推奨量は、1日240μgとされています。
一方、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性には、通常の食事に加えて、サプリメントなどから葉酸400μgを毎日摂ることが望ましいとされています。
なぜなら、赤ちゃんの神経管が形成される時期に、体の中の葉酸が十分な状態になっていることが大切だからです。
妊娠を希望する場合は、少なくとも妊娠の1か月前から摂取を始めることが勧められています。
ただし、ここで気をつけたいことがあります。
葉酸は、たくさん摂れば摂るほどよいというものではありません。
特にサプリメントは、複数を組み合わせることで、知らないうちに摂りすぎてしまうことがあります。
また、多量の葉酸摂取は、ビタミンB12不足に伴う体の異常を見えにくくする可能性などが指摘されています。
大切なのは、必要な量を適切に補うこと。
サプリメントを選ぶときも、葉酸の種類や1日分の含有量を確認し、過度な効果をうたう製品には注意したいですね。
葉酸は、すべての世代に大切な栄養素
ここまで、妊娠を望む女性に葉酸が大切な役割をする栄養素だというお話をしてきました。
でも、はじめにもお伝えしたように、葉酸は妊娠期だけに必要なものではありません。
子どもから高齢者まで、男性にも女性にも、生涯を通じて欠かせない栄養素です。
葉酸は、新しい細胞がつくられるときや、赤血球が正常につくられる過程に関わっています。
そしてもうひとつ、私たちの健康を考えるうえで知っておきたいのが、動脈硬化や心血管疾患との関連が指摘されている「ホモシステイン」という物質と、葉酸の関係です。
ホモシステインと葉酸の関係
私たちが食事から摂ったたんぱく質は、胃や腸で消化され、アミノ酸として吸収されます。
そのアミノ酸のひとつに「メチオニン」があります。
メチオニンは、体内でつくることのできない必須アミノ酸で、たんぱく質の合成や、さまざまな代謝に関わっています。
このメチオニンが体の中で代謝される途中に生まれるのが、「ホモシステイン」です。
ホモシステインは、体内で再びメチオニンに戻されたり、別の経路を通ってシステインというアミノ酸へと変えられたりします。
このときに大切な役割を果たしているのが、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6です。
葉酸とビタミンB12は、ホモシステインをメチオニンに戻す経路に関わり、ビタミンB6は、ホモシステインをシステインへと変えていく経路を助けています。
これらの栄養素が不足すると、ホモシステインがうまく代謝されず、血液中に増えてしまうことがあり、
そして、血液中のホモシステイン値が高いことは、動脈硬化や心血管疾患のリスクと関連することが知られています。
ただし、ホモシステインの値を下げることが、そのまま心疾患の予防につながるとは限らず、現在も研究が続けられています。

ここで知っておきたいのは、私たちの体は、ひとつの栄養素だけで働いているわけではないということです。
葉酸も、ビタミンB12やB6など、ほかの栄養素と協力しながら、体の中で大切な役割を果たしています。
だからこそ、特定の栄養素だけをたくさん摂るのではなく、いろいろな食品を組み合わせて、不足なく栄養を摂ることに意味があるのですね。
私がバイオリンクをおすすめする理由
ここまで、葉酸やビタミンB群が、体の中でどのように働いているのかをお伝えしてきました。
私たちの体は、ひとつの栄養素だけで支えられているわけではなく、いろいろな栄養素がそれぞれの役割を持ちながら、互いに関わり合って生命活動を営んでいます。
だからこそ、特定の栄養素だけに目を向けるのではなく、さまざまな栄養素を日々の食事から摂ることはとても大事なこと。
そんな毎日の栄養づくりを支える食品として、私がおすすめしているのが、クロレラを原料とした「バイオリンク」です。
バイオリンクの栄養成分表示を見ると、葉酸のほかにも、ビタミンB6やB12、鉄、たんぱく質など、多様な栄養成分が含まれていることがわかります。

例えば、バイオリンク粒10g(約50粒)に換算すると、葉酸は150〜300μg、ビタミンB6は0.144〜0.32mg、ビタミンB12は30〜60μg含まれる計算になります。
※製品の100g当たりの栄養成分表示から換算した参考値です。10gは比較のための量であり、1日の推奨摂取量を示すものではありません。
バイオリンクをおすすめしたいのは、葉酸だけを摂るためではありません。
葉酸をはじめ、さまざまな栄養素が含まれていることに魅力を感じているからです。
もちろん、毎日の食事が基本です。
そのうえで、さまざまな栄養素を補う食品として、バイオリンクも暮らしの中に取り入れていただくといいなと思っています。
食べたものが、私たちの体をつくっている
葉酸について学んでいくと、食べたものが体の中でどのように働いているのか、その仕組みの奥深さを感じます。
栄養は、ただ摂ればよいというものではなく、体の中で吸収され、代謝され、さまざまな栄養素と協力しながら働いています。
「赤ちゃんのための葉酸」から、「家族みんなの健康を支える栄養」へ
妊娠前からのからだづくりは、赤ちゃんのためだけに始めるものではありません。
自分自身の体を大切にすること。
家族の健康を考えること。
そして、未来の命を育む土台をつくること。
そのすべてが、毎日の食事とつながっています。
葉酸を知ることは、命を育む体の仕組みを知ること。
そして、自分や大切な人の健康を見つめ直すきっかけにもなるのだと思います。
