7月19日に開催された「バイオリンク虹フェス」。

ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

クロレラマルシェはたくさんの人で賑わい、鹿児島の小中学生によるジャズバンド「リトルチェリーズ」のオープニングライブも、ずっと聴いていたいと思うほど素晴らしい演奏でした。

開催前に書いたブログでは、虹フェスを、

未来へつながる食を、いっしょに考える一日に

とご紹介しました。

ただ商品をご紹介するための催しではなく、食、健康、いのち、そして幸せについて、皆さんと一緒に学び、感じ、分かち合う一日にしたい――。

そんな思いで準備してきた虹フェスでしたが、終えてみると、私自身が改めて「食が育てるもの」の大きさを考える一日となりました。

「弁当の日」は、弁当を作るための日ではない

今回の講師は、「子どもが作る弁当の日」の提唱者、竹下和男先生です。

「弁当の日」は、子ども自身が献立を考え、買い物をし、調理をして、片づけまで行う取り組みです。

単に、子どもが弁当を作れるようになることが目的ではありません。

何を作るか考える。
必要なものを準備する。
順序を考えて調理する。
失敗したら、別の方法を工夫する。
食べてくれる人のことを思う。
そして最後まで片づける。

その一つひとつの経験を通して、家族への感謝や、工夫する力、人を思いやる心、自分で生きていく力を育てていくのが「弁当の日」なのです。

何度お聴きしても、竹下先生のお話には新しい気づきがあります。

今回、私の心に特に深く残ったのは、「孫のなかで、娘は生きている」というお話でした。

孫のなかで、娘は生きている

娘さんを病気で亡くし、幼い孫娘を引き取ったおばあちゃんのお話です。

ある日、孫娘が、

「お母さんのハンバーグが食べたい」

と言いました。

おばあちゃんは、さまざまなレシピを調べて、何度もハンバーグを作ります。

けれど、孫娘の答えは毎回、

「ちょっとだけ違う」

でした。

何度作っても、お母さんの味にならない。

心が折れ、おばあちゃんは「もう、作れない!」と孫娘に言ってしまったけれど、

「先生のお話を聞いて、また頑張ります。だって、孫のなかに娘がいるのですから」

と感想を寄せられたそうです。

 料理の味や香り。
 台所に立つお母さんの姿。
 一緒に食卓を囲んだ時間。

幼い頃には何気なく過ごしていた日常が、その人の心や身体の奥深くに残り続ける。

「三つ子の魂百まで」と言われる意味を、改めて感じさせられるお話でした。

子どもにとって食事は、栄養を摂るだけの時間ではありません。

作ってくれた人の思い。
家族と過ごした安心感。
自分は大切にされているという感覚。

目には見えないさまざまなものを、食べ物と一緒に受け取っているのだと思います。

台所で育つ「点数では測れない力」

竹下先生は、奉仕する心、協調性、忍耐力、共感力など、テストの点数やIQでは測れない力――「非認知能力」についても話されました。

コロナ禍以降、運動会や地域活動、自然体験など、人と人とが一緒に何かを経験する機会が大きく減りました。

コロナ禍が過ぎた今も、そのときに変化した習慣や社会の仕組みは残っています。

顔を合わせて相手の表情を読むこと。
誰かと協力すること。
人の喜びや痛みを想像すること。

そうした力を育むことが、以前より難しい時代になったように感じられ、この先を案じる気持ちになることもあります。

けれども竹下先生は、

自分が作ったものを誰かに食べてもらい、「おいしい」と喜んでもらう体験が、非認知能力を育てる

と話されました。

 人に食べてもらうために作る。
 喜んでもらえるとうれしい。
 次は、もっとおいしく作ってみようと思う。

失敗した人を責めるのではなく、一緒に考えたり、励ましたりする。

台所には、教科書だけでは学べないことが、たくさんあります。

料理を通して、人生に必要な力を学ぶ

竹下先生は、初めて「弁当の日」を経験した小学校の卒業生へ、詩を贈られています。

その詩には、食事を作るという経験から育まれる力が、具体的に綴られています。

以下は詩の原文を抜粋したものではなく、内容の一部を私なりにまとめたものです。

  • 料理の手順を考えることは、仕事の段取りにつながる。
  • 材料が足りないときに献立を変更することは、工夫する力につながる。
  • 家族が喜んで食べてくれる姿を見ることは、人を思いやる心につながる。
  • 食材が自分のもとへ届くまでを想像することは、たくさんの人や命への感謝につながる。

ほかにも、感性、想像力、思いやり、自立、感謝、環境や社会に目を向ける力など、料理を通して育つ多くの力が綴られています。

非認知能力を育てる取り組みは、ほかにもいろいろあるでしょう。

それでも「食」が大きな役割を果たしていくことは、明らかなのではないかと思いました。

「弁当の日」は、弁当を作れるようになるための日ではない。

弁当で、生きる力を学ぶ日。

その意味が、今回は特に深く心に沁みました。

食に取り組むことが、日本を良くすることにつながる

懇親会で竹下先生は、これまで続けてこられた取り組みについて、一つひとつは小さな動きに見えるかもしれないけれど、食に向き合うことで人はよりよく育つ。その積み重ねは、確かに日本を良くすることにつながっている――そんな自信を持っておられることを話してくださいました。

その言葉を聞き、食に取り組むことは、決して家庭の中だけで終わるものではないのだと、改めて感じました。

食によって身体が育ちます。家族と囲む食卓によって、人を信じる心や安心感が育ちます。

料理をすることで、段取りや工夫、感謝や共感が育ちます。自分で何を食べるかを考えることは、自分の命を自分で守ろうとすることにつながります。

そうして健やかに育つ人が一人、また一人と増えていけば、家庭が変わり、地域が変わり、やがて社会も変わっていくのではないでしょうか。

虹フェス開催前のSNSでは、「食が人をつくる」ということを何度もお伝えしてきました。

また、虹フェスはバイオリンクをすでにご存じの方だけのものではなく、初めての方にも来ていただきたいイベントであること、そして、みんなで学び、感じ、分かち合う一日でありたいこともお伝えしてきました。

虹フェスを終えた今、改めて思うのは、食や健康について考えることは、誰にとっても大切だということです。

子どもも、大人も、子育てを終えた方も、これから親になる方も――。
食べること、健やかに生きることは、すべての人の暮らしと未来につながっています。

私にできることは、何だろう

それでは、日々店頭に立つ私にできることは何だろう。改めて考えました。

私はこれからも、

「何を食べるのか」を自分で考えることの大切さ

をお伝えしていきたいと思います。

食事を作ること。
一緒に食べること。
食べる人の健康を願うこと。

そして、自分や家族の身体をつくるものを選ぶこと。

その中で、

「そういえば、バイオリンクがあった」

と思い出していただける存在でありたいと思っています。

バイオリンクをお伝えすることは、今の身体の健康だけを考えてのことではありません。

食を大切にする心や、自分の心と身体を守る知恵が、子どもや孫へと受け継がれていく。

そのお手伝いでもあると思っています。

一人ひとりの健康への思いが、社会を健やかにする

開催前のブログでは、

「食を整えることは、生き方を整えること」

という思いを書きました。

また、食を大切にすることは、自分自身を大切にすることであり、家族や周りの人の命を大切にすることにもつながっていくのではないか、とお伝えしました。

虹フェスを終えた今、その思いはさらに大きくなっています。

私たちが今日選んだものが、次の世代の身体と心をつくっていく。

食を大切にし、健やかに生きようとする一人ひとりの思いが、家族を育み、次の世代を育み、やがて社会全体の健やかさへとつながっていく。

健康になるということの先には、私たちが思う以上に、大きく豊かな実りがある。

虹フェスは、そのことを改めて気づかせてくれた一日となりました。

ご参加くださった皆さま、会場を一緒につくってくださった皆さま、本当にありがとうございました。

そして、今回参加できなかった皆さまにも、虹フェスで受け取ったものを、これから少しずつお伝えしていきたいと思います。