「母乳育児が良いと聞くけど本当かな?」
「大変だと聞くこともあるけど私にできるかな?」
「母乳がでない時ってどうすればいいの?」

こういった授乳期のママたちが抱える【母乳育児】の不安やお悩みについてお答えすべく「母乳育児シリーズ」としてテーマをいくつかに分けて今後お送りします。

この母乳育児シリーズを読んでくださったママたちが・・・

  • 母乳育児に対する自分なりの捉え方ができるように
  • 母乳育児に対して思っていたよりも少し楽に取り組めるように
  • 「やれることはやった」「がんばった」とママとしての自信が持てるように

母と子の健康づくりをサポートする立場として、そして、母乳育児を経験してきた一人の母親としての体験も書かせていただきたいと思っています。

母乳育児シリーズについて今後予定している記事はこちらです↓

まずは授乳期のママへのメッセージを綴りました。

授乳期のママへ ~プロローグ~

ここにはプロローグとしてお伝えしたい3つのことを書きました。

  • 母乳育児への思い
  • 母乳育児は哺乳動物としての本能?!
  • 大切なのは赤ちゃんに向き合う時間

では、一つずつお伝えしていきます。

母乳育児への思い

かわいくて愛すべき赤ちゃん💕
初めてでも、2人目でも3人目でも、赤ちゃんのお世話は大変ですね。
私自身、沐浴やオムツ替えはすぐにできるようになったけれど、授乳は分からないことばかり…

「自分のおっぱいで育てたい」

それだけの気持ちで、母乳育児の専門書を読んだり、助産師さんの母乳マッサージを受けたりしながら、まさに手探りでした。

母乳育児を経験して感じたこと分かったこと得たものはたくさんありましたが、
その後に出会った助産師さん、保健師さん、ママと赤ちゃんに関わる方たちから学ぶ機会を得て、改めて母乳育児の奥深さを知り、「母乳の仕組みって神秘的で素晴らしい!」と思いました。

 母乳育児は哺乳動物としての本能?!

「初乳」と「成乳」とで成分組成の差があるのも神秘的ですが、
その他にも「母乳はオーダーメイド」と言われる所以のごく一部をご紹介すると、

・早産で生まれた赤ちゃんのママの母乳は、正期産で生まれた赤ちゃんのママの母乳と組成が異なる。前者は未熟な状態で生まれた赤ちゃんの成長を促すための栄養が多く含まれていて、また免疫物質や抗酸化物質など妊娠後期で子宮内で得られるものの多くを母乳から得ることができる。
・飲み始めの母乳はあっさりとして薄くて飲みやすく、後になるほど濃く脂肪分が多くなり、満腹感を味わえるようになっている。
・ママが風邪をひいたとき、あるいは赤ちゃんが風邪をひいたとき、母乳を介してママが体内でつくった抗体を赤ちゃんにあげることができる。

母乳に関する様々なことを学んで思ったのは、私が母乳で育てたいと思ったのはそれらを知っていたからではなく、哺乳動物としての本能がそう思わせたのだろうなということでした。

「自分のおっぱいで育てたい」

私と同じように思うママたちに、
もうちょっと欲張って…これからママになる方にも、
「母乳」の凄さ素晴らしさを知ってもらいたいと思いました。
ほとんどのママが、その能力を持っていることを知ってもらいたいと思いました。

そして同時に思うこと…

大切なのは赤ちゃんに向き合う時間

どうしても母乳が出にくいママや、仕事や病気で母乳をあげたくてもあげられないママもあるでしょう。そんな時、「我が子にとって、今できる最善の食事」を選んでミルクをあげることは、決して間違いではありません。状況はそれぞれ。赤ちゃんもいろいろ。できることにも限りがある。
「母乳」を知ることは、ミルクをあげるママがご自身の授乳をより良いものにするヒントになるはずと信じています。

「我が子を大事に育てたい」

その思いは、授乳期が終わってもずっと続いていくもの。
私のささやかな体験から思うのは、
「やれることは精一杯やった!がんばった!」
という思いが、その後に長く続く子育ての糧になったということです。

我が子と向き合った時間(長さだけでなく深さも)が、親としての自分と我が子を信じる思いの強さにつながると思うのです。
授乳という行為は双方向です。抱っこして目と目を合わせ、安心しておいしいおっぱいを飲む、与える。その時赤ちゃんはきっと、自分はここにいていいんだ、愛されているんだと、感じていると思うのです。
そんな時間を共に作ったママと赤ちゃんには、心の深いところで強い絆ができると思うのです。

産婦人科医でも助産師でも保健師でもない私が母乳育児を語っていいのか…とも思いました。けれども、「人が育ち成長する0地点」にこだわりたいのは、一薬剤師として医療の現場にいたからかもしれません。
薬剤師法第1条「薬剤師の任務」に こうあります。
「薬剤師は…公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする
赤ちゃんの健康状態をより良くしていこうと努めることは、健康な生活を確保することへの大事なはじめの一歩になると思うのです。

「我が子を大事に育てたい」
そう思うすべてのママたちに届いてほしい、と 願いを込めて綴ってまいります。